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光と風を感じる果樹の庭(千歳の間、アンズ)
痛み止めが良く効いているのか、昨日じっとしていたのが良かったのか?
今朝は、膝の痛みも軽く、腫れも引いて気分も良好。
これならば...。ってことで、
先週お庭を造り直した「亀清旅館」の庭の水やりにでかけた。

植物達も落ち着いたみたいで、葉が活き活きとしていた。
コバノガマズミの紅葉がとても奇麗。

光と風を感じる果樹の庭(千歳の間、アンズ)_b0133243_20124137.jpg

10月17日の「あきらめない庭」でご紹介したのは客室 “末広” の「リンゴの庭」。
それと一緒に、背中合わせの双子の客室の庭も手直ししていた。

それが、客室 “千歳” の「アンズの庭」。

若旦那タイラーさんのたっての希望で、信州を代表する果物「リンゴ(紅玉)」と、千曲市の春に無くてはならない「アンズ(大実)」で双子の庭を飾ることにした。
どちらの部屋も庭のコンセプトは『信州の光と風を感じる果樹の庭』。

今日は「アンズの庭」の庭造りの様子をご紹介します。
ちょっと長くなるけど、おつきあいください。

作業前の客室 “千歳” の庭。

光と風を感じる果樹の庭(千歳の間、アンズ)_b0133243_2014524.jpg

この庭も他の部屋の庭と同じで常緑の植物が9割。ネズミモチ、大きなアオキ、オモト、ジャノヒゲ。ヤツデが無かっただけまだましである。

光と風を感じる果樹の庭(千歳の間、アンズ)_b0133243_20141592.jpg

そして唯一の落葉花木であるボタンが一株。
手直ししていない亀清旅館の庭は、ほぼこういった植物の組み合わせ。
四季を感じる植物はほとんど植えられていないから、
どの庭も同じ雰囲気で、四季の変化も無くてつまらない。

光と風を感じる果樹の庭(千歳の間、アンズ)_b0133243_20135574.jpg

光も風も入らないから、とても寂しいし、暗い。
だから、空気が重く、庭に面した窓を空けたくならない。
おかげで部屋の中は昼間でもうす暗い。

そんな庭を、光と風を感じる明るい庭に生まれ変わらせて、お客様に窓を開けて楽しんでもらえるようにする。それが双子の庭の共通のゴール。

まず、庭に光と風を入れるため、高いコンクリートの壁と既存の植物の見直し。

光と風を感じる果樹の庭(千歳の間、アンズ)_b0133243_20143195.jpg

壁は、末広の客室の庭と同じで、若旦那が手作りの木の壁に改修した。

光と風を感じる果樹の庭(千歳の間、アンズ)_b0133243_20144233.jpg

これだけでも、庭の雰囲気は一変した。
ここから僕の作業となる。

まず、庭の頭の上を明るくするため、ネズミモチを剪定し、放任されて軒を超える高さにまで成長したアオキを抜く。可哀想だけど、大きく庭を作り替えるには、土砂崩れにでもあったつもりで、思いきって要らない物を捨て、まっさらにすることは大事です。ボタンは強引に掘り起こし、植え場所を少し移動しました。

そして、やっぱり基本は植物が元気に成長できるベースとなる、土の改良である。

でも、これが今回一番の難関だった。
なんせ、亀清旅館の庭はちょっとした発掘現場。

光と風を感じる果樹の庭(千歳の間、アンズ)_b0133243_201622.jpg

やっかいなことに、使われているのかいないのかわからない配管が、土の中に幾重にも重なって埋まっている。ガス管や、水道管だったりすれば、穴をあけたら大変である。ツルハシやクワは使えないから、スコップだけで慎重に土を掘り返すしかない。

光と風を感じる果樹の庭(千歳の間、アンズ)_b0133243_20162940.jpg

昔の壁の基礎が出てきたり、古瓦や大きな川石などが大量に埋められていたり。
想定外の事態で、作業が予定通り進まない。
大きなタイムロスとなった。

それでも何とか不要な物を掘り出し、ほぐした土に大量の腐葉土、赤玉土、有機培養土を混ぜて土を改良した。

光と風を感じる果樹の庭(千歳の間、アンズ)_b0133243_20473991.jpg

すると、今まで在った大きな石と石臼?みたいものの配置がノッペリした感じで、なんとも気に入らない。いっそネズミモチの株元に集めて、庭の左側だけ立体的にしてみましょう。

予定にはなかったけど、大きな石と、深く埋められていた石臼のような物も掘り出して石の配置を変えた。石臼のような物はどうやら水鉢らしく、中には黒い玉石がいっぱい詰められていた。
おかげで重い。かろうじて手で動かせたけど大変な作業になった。

光と風を感じる果樹の庭(千歳の間、アンズ)_b0133243_2048315.jpg

どうでしょう、庭に立体感がでて、石の表情も豊かになったと思いませんか?

これで、植物を植え付けるための場所は完成。

光と風を感じる果樹の庭(千歳の間、アンズ)_b0133243_20483757.jpg

スッキリ抜けた空間の日当りと土の具合をよく見て、この庭のシンボルツリーとなるアンズの未来の姿を思い浮かべ、根、幹、枝、葉が元気に育てる様に成長を想像しながら場所を決めて植える。

光と風を感じる果樹の庭(千歳の間、アンズ)_b0133243_20552352.jpg

これが決まればほぼ完成。風と光をいっぱいに浴びて、活き活きと成長できるように考えながら、植物達を植えるだけ。
『信州の光と風を感じる果樹の庭』のコンセプト通りの庭になる様に、長野のアンズ畑や、里山の風景を思い出しながら植栽しました。

光と風を感じる果樹の庭(千歳の間、アンズ)_b0133243_2154717.jpg

ネズミモチの下は少し暗く、乾燥気味なので、
常緑のセキショウやフッキソウを多めに植栽。

光と風を感じる果樹の庭(千歳の間、アンズ)_b0133243_2155842.jpg

石組みの中は里山の林床をイメージ。

石臼風の水鉢には、セキショウ、アケボノアシとシラサギカヤツリを植栽し、水辺を演出。

光と風を感じる果樹の庭(千歳の間、アンズ)_b0133243_2161964.jpg

そして、アンズの周りは、ススキなどのイネ科の植物と野花を多用し、明るい陽の光に照らされ、風に揺れる草花が爽やかなアンズ畑をイメージして植栽しました。

まだ今はどの草花も同じような大きさで、なんとも植えられました感が強い。
とってつけたような感じは否めません。
でも、この冬を越え、暖かな春になった時には、それぞれの植物が個性的な草姿を見せてくれるはずです。楽しみにしながら、植物の成長を見守るとしましょうよ。

今日 “千歳” の中から見た庭の様子。

光と風を感じる果樹の庭(千歳の間、アンズ)_b0133243_2163431.jpg

お部屋についた瞬間から、お客様がお庭を楽しめる様にと、この一週間の間に、若旦那が庭に面した縁側のサッシを、これまでついていた“磨りガラス”から透明なものに交換しました。

襖を空けてお部屋に入った瞬間に庭が眼に入ってきます。
なんだかとても気持ちいい。
窓をあけて外を見たくなってきます。

実際、先週末お泊まりになったお客様は、部屋に入るなり窓を開けて、部屋とお庭を楽しんでいらっしゃったそうです。
ほんとうに嬉しいなぁ〜。

光と風を感じる果樹の庭(千歳の間、アンズ)_b0133243_2165412.jpg

きっと、来春「アンズの庭」から見上げる空は、ピンク色に染まるはず。

ぜひ、生まれ変わった亀清旅館の『果樹の庭』を訪れてみてください。

成長する庭の植物とともに、毎年違う風景があなたを迎えてくれますよ。



■亀清旅館

http://kamesei.sakura.ne.jp/kannai.html

by eilakuyagarden | 2009-10-21 21:30 | 里山林の庭 | Comments(0)


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