悲しい木の話

『 雑木の丘の庭づくり:命を植える 』 でちょこっと書いた、切り倒した樹勢の弱いイチイのお話。

この “ イチイ ” の木。

b0133243_19132210.jpg

僕がこの庭に関わる前に、この庭を造った植木屋さんが植えたか、その前の持ち主の方が植えた(もしくは移植した)木なのだけど、下枝や梢の枝葉が全て枯れ、残った枝葉がこの木の姿を作っていたのだけれども、木の勢いがとても弱くてすごく残念な木だった。

b0133243_19132736.jpg

雑木の丘の庭づくりを行うにあたって、この木を抜くことになり、塩でお清めをしてから切り倒し、根を掘り出した。

なんとなくは予想していたけど、やっぱりの結果にちょっと唖然とした。

b0133243_19135189.jpg

無惨に切られた太い根。
根を覆っていたであろう麻袋の欠片がいくらかついていて、土を落とすと、切断した太い根を隠すように靴下のようなものが巻き付けられてもいた。

b0133243_19133268.jpg

一言で言えば 『 ひどい 仕事 』 である。

b0133243_19135543.jpg

もし、こんなに太い根をバッサリと切ってしまうならば、最低でも半年から一年かけてしっかりと根回しをして、切断した太い根の先(写真の指でさしているような部分の周囲)から、水や栄養をしかり吸い上げられるような細かい根を出させた上で、根を掘り、周りの土が落ちないように麻布で根の周りの土を包んで根巻きをつくって木を掘り上げる。これが最低限の仕事。

良い植木屋さんというのは、大きな木でも定期的に動かして、太い根にいつでも移植できるように沢山の細い根を作ってくれている(そんな準備をしてある木でも、二年も三年も植えっぱなしの大きい木は、半年くらい前にお願いして移植の準備をする必要があるし、そうしないと移植できないと植木屋さんが言ってくれる)。

でも、このイチイの根っこは違う。

b0133243_19135838.jpg

バッサリと切られた沢山の太い根に細い根は全く生えていなくて、残っているだけで基本は死んでいる。生きているのは幹の周りから沢山生えてきた細い根っこ達。この幹の太さの木なのに生きているのはこの弱い根っこだけ。これでは木全体の枝葉を維持できるだけのエネルギーは吸い上げられない。そう判断した木は、自分の身を削って、生き抜くために必要な根を育てることに懸命になる。

本来は枝葉を作り、花を咲かせ、種を育てるために木に蓄えられていた命のエネルギーを使って、生きている幹の周りに細い根を沢山だす。同時に、供給に見合わない枝葉を枯らして減らしていく。

これで自ら復活する木も沢山あるけど、根っこの被害が大きいと、根を守るために身を切り詰め過ぎて木自身のエネルーギが失われて死んでしまう。

b0133243_1914621.jpg

このイチイの木もこの根っこの状態、木の樹勢から考えると将来は無かっただろう。
なにより台風が軽井沢を直撃したりしたらあっさり倒れていただろう。
とても残念。

こんなに酷い扱いをする植木屋さんにも残念で、悲しい。
どんな気持ちでこんな仕事をしたんだろう?
自然を、木を相手に仕事をしているのに、全然木の気持ちなんて考えていないんだなぁ。
本当に残念だ。

木を育て、それを植えて庭をつくる。
だったら、木にとって一番大事な根っこを育てるのは当たり前。
見えている幹や枝葉や花もたしかに大事だけど、それ以上に根っこは大事。

良い根は、いい葉を、枝を、幹を育て、美しい樹形を育んでくれる。
木を植えるなら、それをしっかり分かっている植木屋さんを選ぶことが大事。

でも、園芸店やホームセンターで売られている大きな木は、この状態を確認できない(売っている側もそんなこと知りません)。

植木を買うなら、売っている木の育て方や、根っこのことを大事にしている植木屋さんから買いましょう。

もしくは、小さい苗木を植える方が間違いありません。

大きい木の根が元の状態になり、木全体が生長できるまでになるのと、
小さい苗木(樹高1〜2mぐらい)の根がしっかりと伸び、大きく育つまでの時間はそんなに違いがありません。むしろ、小さい木の方が無理していない分だけ、植える場所への適応力は高く、根がしっかり育てば上に伸びる速度は加速的です(突然大きくなりはじめます)。デメリットは大きくなるまでの時間だけですかね。すぐにでき上がった姿が必要でなく、庭や、家族の成長と共に、木の生長を見守れる時間的余裕があるのならば、断然小さい木がお薦めです。


自然に、木に、草花に、庭づくりに真摯に向き合う者として、
少しでも、こういった酷い仕事が、そして、悲しい木が減ることを臨むばかりです。
by eilakuyagarden | 2012-10-28 19:22 | 永楽屋ガーデン | Comments(0)


永楽屋garden イベントのご案内

イベント告知など....

☆ *********

 *年 *月 *日 (※) 、*日 (※) --時~--時  
・**********。
・**********。    

詳しくは ****


*****

☆ 第*回『花木と語らう緑の園芸教室』

*月 *日 (*) **時 ~ **時
◆テーマ◆「********」

・**********。
・**********。
◎参加費: *****円(花苗、実技資材費、飲み物代込み)
◎場所 追分コロニー/ブックカフェ及び裏庭
お問い合わせ、お申し込みは 追分コロニーさんのホームページへ








<< 雑木の丘の庭づくり:輝く秋の庭 当たり年 >>



  長野,軽井沢,岐阜 風景に溶け込む雑木の庭自然な庭造りと里山園芸
by 永楽屋garden
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
about 永楽屋garden
山野草、雑木、愛すべき日本の里山風景。そんな自然な庭を愛するあなたへ...

人と自然、植物が触れあえる“ 住まう庭づくり ”


永楽屋garden では...
そこにある自然を生かしたナチュラルガーデンのデザイン、施工、メンテナンスを行っています。

「花木と語らう緑の園芸教室」も不定期に開催。
ガーデニングの基本、お庭、植物と触れ合う楽しさをお伝えしています。


長野県, 軽井沢, 八ヶ岳, 岐阜県で主に活動していますが、ご依頼があれば日本全国どこへでも伺います。まずはご相談くださいね。

お庭造りに関するご相談
お問い合せはこちらまで

mail:
eilakuya_garden@polka.ocn.ne.jp
Tel/Fax:
0267-32-0253
Mobile:
090-2346-6877
※日中は不在にしていることが多いので、mail,Mobileでのお問い合わせが確実です。

カテゴリ
全体
永楽屋ガーデン
里山林の庭
インドアグリーン
木の物語
息抜き
岐阜の庭
大山桜を守る会
追分宿の庭
庭造りいろいろ
園芸教室
浅間山
散歩道
イベント
野草の暮らし
メディアなど
スタッフ募集
未分類
以前の記事
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 06月
2016年 05月
more...
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧