棚庭造り その1
斜面の庭造りの続き。

2010年6月初旬。そろそろ梅雨入り。
斜面の庭造りの話も、いよいよ、庭正面の『棚庭造り』に入ります。

では、今回もまず作業前のお庭の様子から...。

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なぜ 『棚庭』なんて呼ぶかと言えば、最初に見たこの別荘の庭正面の様子が棚田のように段々だったから。ただそれだけ。

堅牢なコンクリー基礎の高さは2.5m程もあり、圧巻の存在感。駐車場に立って庭を見れば、庭よりも基礎がバァ〜ンと目に入ってくる。とても無骨な印象を受ける。

その横にある庭部分。
もともとの山の斜面よりも幾分急傾斜に盛られた新しい斜面。
前も書いたように軽石ばかりのこの土地の土は、単純に盛っただけでは斜面を登ることもままならない。斜面を登るたびに土砂が崩れてくるから、何をするにも大変。

それでも「庭を歩きたい」ということで、お客様ご自身で試行錯誤の結果、カラマツの丸太で簡易的な土留めを造り四段構えの『棚庭』を完成させた。

『棚庭』はそうやってできた。
でも、丸太だけでは斜面の崩れを止めることはできない。
雨や雪で土砂は自然に崩れて、流れ出す。このままでは、いつか斜面が崩れるだろうし、安心して植物と触れ合うことも出来ない。

だったら、楽しく植物と触れ合える 、自然な庭としての『棚庭』に変えましょう。

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お客様が造った棚庭の段々は、建物、斜面とのバランスもよく、動きもあってなかなか素敵だったので、ほぼこの流れに沿って棚段を造っていくことにした。

では、どうやって土を留めるか。
コンクリーとなどを使わずにしっかりと土を留め、かつ歩道との統一感、H邸の庭全体のイメージも考慮して、最初から枕木の土留めにするつもりでいた。
でも、全部枕木の土留めにするとまるで要塞みたいになってしまう。
印象がとても重い、重すぎるのだ。しかも、費用も工期も重くなる。

僕の考える自然な庭の主役は野草と樹木達。だから、枕木の土留めは必要最小限の場所だけにして、それ以外の場所は、植物と土留めが一緒になって斜面を守ってくれるように『丸太組の土留め』にすることにした。

丸太組の土留めとは、山から木を切り出す際に、間伐材などを井桁に組んで作る作業道作りの土留め工法。自然に優しく、強固で長持ち。なによりも、丸太組の間に植物が植栽できるのがいい。数年して丸太が土に還っても、そこに植えた樹木や野草達の根が斜面の土をがっちり掴んで守ってくれるはず。この庭に一番あった方法である。

枕木と丸太組、建物と基礎、庭を歩く回廊と棚段がつくる庭のリズム。
植物が植わり、生長した姿を想像しながらデザインしました。


では、そろそろ作業に取りかかりましょう。


作業は上段から開始。上段は留める土も少ないので、段数の少ない丸太組で対応。

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一段、二段と丸太を井桁に組んで、ハイ完成。

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簡単にできたように見えますが、丸太が崩れないように、留めるための土砂自身が丸太組をしっかり掴んで離さないようにしてあります。


続いては堅牢なコンクリート基礎に繋がる中段部分。基礎の無骨な印象を和らげるため、枕木を縦に使い、基礎の延長線上に並べていきます。

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土を人の背丈程の深さまで掘って、枕木を深く埋めます。

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しっかり立てたら半分くらいまで埋め戻し、枕木の裏側にアンカーを引っ張ります。

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これをやるとやらないとでは大違い。このおかげで土留めが前倒れせず、しっかり土の圧力を支えることができます。

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アンカーを引っ張ったら、あとはユンボで土を埋め戻し、奇麗に整地して終了。

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この際、埋め戻す土は必ず軽石と山土をよく混ぜてから使ってください。
山土が混ざれば、軽石の層は驚く程崩れにくくなりますからとても大事な作業です。

この後、雨が降ってきたので、作業は中止。明日に持ち越しとしました。
軽石の多い斜面の土は雨が降るととても崩れ易く、危険です。
少しでも作業を進めようと無理に続けるのでなく、安全に作業する為に無理せずに中断する勇気も大事。

山の斜面の庭造り。相手は偉大なる自然だということをお忘れなく。

ということで、ここまでの作業のまとめをどうぞ。

【作業前】

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【上段1:丸太組一段】

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【上段2:丸太組完成】

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【中段1:枕木土留め完成】

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写真だと良く伝わらないかもしれませんが、コンクリート基礎の延長に枕木の土留めができたことで、庭に与える基礎の存在感がかなり和らぎました。
なかなか、良い感じ。


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話は梅雨の晴れ間となった翌日に続きますが....。

でも今日はここまで。
また次回『棚庭の中段のつづき』をお楽しみに。
by eilakuyagarden | 2011-02-25 23:12 | 里山林の庭 | Comments(0)


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