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安心して歩ける階段
斜面の庭の回廊造りも 「階段造り」を残すだけ。
もう一度作業前の階段の様子を見てみましょう。

安心して歩ける階段_b0133243_20523540.jpg

家を建てる際に出た斜面の軽石を積み上げた場所に、
丸太で簡易的なステップをつくっただけの階段。

軽石を大量に含む土というのは本当に脆く、一度崩れ始めたら止まらない。
春から秋は雨で、冬場は霜柱で土が持上げられたり溶けたりして斜面はどんどん脆くなる。簡易的な階段では土の崩落を止めることができなくなってきていました。

これでは安心して斜面を登れませんよね。
だって、歩く度に崩れていくんだから。

そこで、昨日のブログでお話ししたように、まずは枕木の壁を土留めとして斜面の土の流れを止めました。

安心して歩ける階段_b0133243_20524022.jpg

これだけでも、随分斜面が落ちつきました。
だけどこのままでは、雨などで斜面が削られてしまいます。

だからこの斜面にがっちりとした階段をつくります。
土留めを立てる時に掘り出した山土と軽石を良く混ぜた土は、作業前に比べれば各段に崩れにくくなっているのですが、やはり丸太を横において手前を杭で止めたようなステップでは心配です。

そこで、少しゴツい印象を与えるのですが、焼き杭でつくったお隣の階段とのデザイン的な差別化と土留めとの統一感をもたせるため、「コ」の字に組んだ枕木を互いが重なるように積み上げ、異形鉄骨を使ってしっかりと締結したステップを組んで階段としました。

安心して歩ける階段_b0133243_20524172.jpg

歩き易い段差とステップの長さを考慮し、下段程緩やかに下るように設計してあります。各段には軽石と山土をよく混ぜた土をしっかりと固めながら入れてあります。
将来的にはこぼれ種で自然に生えた草達がステップを緑に染めてくれると同時に、その根で土をしっかり掴んで固めてくれるはずです。

枕木だけでなく、植物でも斜面の土の崩れを止めてもらうようにするのは大事なことです。だって植物の根はどんな細い隙間にも入り込んで土の空隙を埋めてくれるのですから。それに、見た目にも枕木のゴツい印象を植物がやわらかくしてくれますから一石二鳥です。

ということで完成した枕木の階段がこれ。

安心して歩ける階段_b0133243_20524588.jpg

土の上に載っているだけのように見えますが、実は上段まで全ての枕木が繋がっていて、階段全体で斜面の土の流れをしっかりと受け止めています。

安心して歩ける階段_b0133243_20524527.jpg

土留めの壁は階下に行くにつれて外に広がり、階段はその逆方向に緩やかにカーブを描くように設置しました。階段をまっすぐにおろすよりも、このリズム変化がゴツい枕木の階段に少し柔らかな印象を与えてくれます。

安心して歩ける階段_b0133243_20524946.jpg

建家のコンクリート基礎と枕木の階段との間の空間は水の流れ道。
階段の階下がカーブしていることで流れも少し緩やかになって土の流れ出しも抑制できないかなぁなんて期待もあります。また、ここに草が生えれば、水の流れを緩やかにしてくれる自然の水路ができるはず。ちょっと楽しみなんですよね〜。

安心して歩ける階段_b0133243_20524932.jpg

回廊の北の端にでき上がったばかりの階段。
堅牢で安心して登れるなかなかいい階段でしょ。

でも、このままでは終わりませんよ。
この階段が自然の中に溶け込んでくれるように、崩して再度盛り土した斜面に、この庭に自生しているスゲの仲間やいろんな野草達を植えました。

安心して歩ける階段_b0133243_20525130.jpg

僕が植え方を伝授して、植栽は施主様の手で行ってもらいました。
後日、植え付けの甘い部分や植物の間隔などを修正して完成。

こうして野草を斜面に植え付けたのが6月末のこと。
それから約三ヶ月後の10月中旬の様子がこちら。

安心して歩ける階段_b0133243_20525619.jpg

何もなかった斜面は、施主様が植栽したスゲや野草の他にも、土の中に残っていた株やこぼれ種で増えた野草の緑に覆われ、もう何年もここにあるかのように、自然の中に溶け込んでいました。階段のステップにも少しですが野草の芽が出始めています。

これで斜面のお庭を歩き回れる回廊造りは、ほぼ完成です。

次ぎは斜面の庭のメインとなる、庭正面の棚田ならぬ「斜面の棚庭」部分の手直し。
ここも階段と同じで、建家の基礎工事の際に崩した斜面の軽石をどっと盛った崩れ易い斜面。どうやって触れ合えるお庭に変えていったかは、また次回のお話しです。
by eilakuyagarden | 2011-02-17 22:12 | 里山林の庭 | Comments(0)


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