樹形は語る
小春日和の穏やかな天気。澄み切った空気。
冬枯れの草。紅葉の林。
真っ青な空。褐色の浅間山。

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今日の浅間山は格別に美しかった。

空の青が本当に鮮やかな一日。
黄葉した “カラマツ”。

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褐葉した “カマツカ”。

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一粒だけ、枝にしがみついていたカマツカの真っ赤な実。
なんだかとても愛おしい。

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こんな日の庭仕事は本当に楽しい。
心も身体も軽やかで、作業がとても捗ります。

庭で集めた乾燥した落ち葉と、切り戻したばかりの生乾きの葉を積み重ねて“落ち葉焚き”。こうすると、湿った生葉が燻されて上手く燃えてくれます。
(煙が多くでてけむいのが問題ですが)

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というわけで、今日も僕は大量の煙に燻されておりました。
スモークガーデナーなんて、ぜんぜん美味しそうじゃないなぁ。



紅葉した葉が落ちれば、葉に隠れていた奇麗な樹の姿があらわになります。
木は、過去に起きたいろんな出来事を身体に刻んで大きくなります。

雨にも、風にも、雪にも負けず。
広い空間を一人占めし、自然のままに大きくなった木は本当に美しい。
主幹がスッと伸び、大きく枝を広げた “ミズキ”。

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のびのびと枝を伸ばした “クリ”の木。

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樹勢も強く、生き生きとした木の生命力を感じます。



でも、この庭にはこんな自然樹形の木に混じって、
人間様の勝手で太い枝を乱暴に切られた沢山の木々が植えられています。

太い枝をバッサリ切られた “コブシ”の木。

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いろいろと理由があって、以前の持ち主が伐採されそうになっていた大きな木々を移植したものです。おそらく、その移植の際にかなりの強剪定をして葉の量を減らしたんだと思います。
移植のために根を切るなら、葉も減らして水分の供給と蒸散のバランスをとるというのは教科書にのっている移植方法です。

だけどね、もともと地に根を深く広く下ろしていた大きな木。
伐採されるのは可哀想ということで、無理矢理移植するとなれば、木の負担は相当なもの。移植されたあとは、まず根を出そうとしますが、人間様の都合で枝葉を沢山落とされてしまったから、エネルギーをつくる葉が少なすぎて、根がつくれません。

そこで木は、自らの木の幹、枝、太い根に蓄えられたエネルギーを全て使って根を出し、枝葉を出して生延びようとします。そのため、当然のことながら木の樹勢は衰え、元の樹勢を取り戻すには何年もかかることになります。
その間、何もなければ良いですが、樹勢の弱った木は強剪定された枝の傷口を塞ぎきれずに病害虫に侵されたり、風や雪で倒れたり、結局もとの樹勢を取り戻すことなく哀れな姿の木になってしまいます。

たまたま、移植が上手くいって、次ぎの場所でも元気に育つものもあります。
でも、この庭の移植木の大半は、すっかり樹勢が衰えて、その姿は本当に哀れです。
結局、元の大きな太い幹や枝は株元まで枯れて、株元から生えた若い新芽で再出発となっています。
移植の費用と労力、そしてなによりも木の負担を考えれば、人の都合で大きな木を移植するなら、同じ費用をかけて、同じ種類の若い木(植木の苗圃で育てた移植木)を何本も植えた方がよほど木のためにも、自然のためにもなると思う。

思い入れのある木が切られるのは確かに悲しいけど、人の都合で無理矢理移すのは、木のことを考えるならとても辛いことだと思う。古木、大木を守るというのは、今その樹が生えている場所、環境をそのままに(もしくは木が育ちやすい環境に改善すること)守っていくこと。
移植してまで守るというのはチョッと違うと思う。

伐採される木を守るために、掘って移植する。
聞こえは良いけど、木の気持ち、立場に立っていない自己満足的な行為のような気もします。
それより、新しい命を沢山植え、育てる方が僕は良いと思います。

皆さんも木の立場に立って、木の気持ちになって、チョッと考えてみてくださいね。
by eilakuyagarden | 2010-11-11 23:17 | 木の物語 | Comments(8)
Commented by miekichi1014 at 2010-11-11 23:44
いやぁー今日のお山はきれいでしたねー!!
しかし、カメラと腕が違うと、こうも写真が異なるんですねー。
うちからだと障害物があって、こんな完璧な姿は望めません・・ ガックシ。。
先生~1枚目の写真コピペさせていただいても良いでしょうか?
Commented by eilakuyagarden at 2010-11-12 00:29
miekichi1014さま。
今日の浅間は本当に奇麗でした。浅間の写真コピペしても良いですよ。特別ですよ(笑)。
実は、今日からカメラ本体が変わりまして、さらに解像度の高い写真が撮れるようになりました(レンズは昨日までと一緒です)。レンズの性能を十二分に引き出せるようになったと言う新しいカメラ。レンズが一緒なのに、出てくる絵がこうも違うものかと自分でもカメラの性能に驚いています。
やっぱり機材の性能UPは大事ですね。
これからも、どんどん奇麗な景色や植物の様子を撮っていくのでお楽しみに〜!
Commented by miekichi1014 at 2010-11-12 11:43
ありがとうございまーす ^0^/
ブログで紹介させていただきましたが、もし不都合があれば、恐れ入りますがお知らせくださいね。

あのー初歩的な質問で恥ずかしいのですが、写真が重くっても、開くのが遅くならないのでしょうか?
ガーデニングと外れてばかりで、申し訳ありません・・^^;
Commented at 2010-11-12 15:03
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by eilakuyagarden at 2010-11-12 23:46
写真のサイズが大きいと、ブログを見る人のパソコンの能力によっては、表示されるのに時間がかかると思います。
とはいえ、僕のブログも掲載している写真も元画像に比べればかなり小さくなっています。
僕の場合、できるだけ奇麗な絵を載せたいから、ときどき中ぐらいサイズの画像を沢山載せますが、見ている人はイライラしないかな?なんていつも考えてます。
これは書く側の考え方と、見る側の要求の問題なんで、どのように掲載するかはmiekichi1014さん次第かと思いますよ。
Commented by miekichi1014 at 2010-11-13 00:23
色々ありがとうございました。
今回は、あつかましいですが、写真そのまま使わせていただきました。

私自身のブログの読み込みが遅かったので、最近写真の画質を少し荒くしたのですが、まぁあのカメラ程度なら、どちらにしても見た目大差無いですね・・^^;
やっぱり本格的に撮られている方のと比べると、かなり見劣りするけれど、仕方ないですね。
Commented by しゅうまい at 2010-11-14 22:00 x
樹木の移植に対する考え方の参考になりました。 移すことが必ずしも樹木のためになるわけではない・・・ 守りたい気持ちと樹木の気持ち、複雑で簡単には答えが出にくい問題なのだとあらためて考えさせられます。 これからも岡田さんなりのコメント出していってください。


Commented by eilakuyagarden at 2010-11-15 18:32
しゅうまいさま。コメントありがとうございます。
木も生きていて、今居る場所が故郷なんだとすれば、そこから移動しなきゃいけない気持ちはどれほどのものか。
もし、自分がその立場なったらって考えれば、自ずと推し量れるものなんですが、どうしても、人間は自分の思い入れを木の気持ちに置き換えて考えてしまうので....。動かないし、何も言わないけど、木にも感情があるということを忘れないでくださいね。


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